HeidiSQL

AnsgarBecker氏は、1999年から、Delphiを用いて軽量なデータベースクライアントの開発を続けている。開発当初、HeidiSQLのサポート対象はMySQLのみであったが、その後、SQLServer、PostgreSQL、SQLiteも同様にサポートする、使用頻度の高い、非常に人気のあるオープンソースツールとして、世界的地位を確立している。

「HeidiSQLは、Delphiの新機能がなければ、ここまで進化を遂げなかったでしょう。」

Ansgar Becker

課題

1998年、アプリケーション開発者でありWeb開発者であったBecker氏は、MySQLServerの管理にあたり、その当時利用できたプログラムに不満を抱いていた。可能な限り直感的にデータベース構造を可視化したいという願望が沸き上がっていたのだ。学校で習得したTurboPascalの知識、勤務先が取得していたDelphi3のライセンス、そしてまだ草創期にあったインターネット。無限の可能性が、彼の前には広がっていたのだ。ちょうど同じ頃、MatthiasFichtner氏が、mysql.hヘッダーファイルのDelphiトランスレーション版を公開した。これにより、はじめてMySQLServerへの接続が可能になったのだ。これらの前提条件を満たしたことで、カスタマイズされたユーザーインターフェイスの設計、実装を追求することとなる。それ以来、Becker氏はDelphiのフォームデザイナと無限の可能性を秘めたVCLからインスピレーションを得て、ユーザービリティの向上に磨きをかけ続けている。

アプリケーション

最初に公開されたバージョンは、フリーウェアとして1999年に提供を開始したが、当時は別の名前が付けられていた。多くのユーザーが、すぐにWebブラウザアプリケーションに対するローカルアプリケーションのメリットを認識した。サーバーに依存する接続速度は別として、このアプリケーションの実行速度は極めて速かった。加えて、そのインターフェイスは、抽象的になりがちなデータベースコンテンツを直感的に表示できた。データベースの知識をもたないユーザーでさえ、追加のツールを必要とすることなく、またたく間に自分のサーバーの裏側を見ることが可能になったのである。

結論

Delphiは、広範なデータベースサポートを提供する。HeidiSQLの登場から20年経った今日でさえ、そして今でこそ、Delphiは、バックグラウンドタスクを実行できるアプリケーション開発に最適なツールであると言える。Delphiで作成したアプリケーションは、驚異的な実行速度を発揮している。

「可読性の高いPascal言語は30年にわたって私を魅了し続けています。理解しやすいハイレベルな言語は学習も容易で、Web開発者の私にとって、常に刺激的な発見に満ちています。」

Ansgar Becker